あなたの【月】の思い出はなんですか?
唐突ですが、考えてみて下さい。
月はほぼ毎日見ると思います。
満月、新月、三日月、、、
そんな日常ごく当たり前に存在している、
月の思い出をみなさんは持っていますか?
ぼくは持っています。
決して忘れられない月の思い出を。
その月は昨年の9月29日
韓国の仁川から中国の天津に向かう船の上で見ました。
当時、中国での反日の動きが強まり、様々なデモや暴動の様子が報道され、
できるだけ中国への渡航は避けるようにという通達がありました。
両親や家族、友達からも当然、中国行きを反対されました。
もちろん僕自身もものすごく不安でした。
それでも中国へ向かったのは直接、自分の目で見て、肌で感じたいという想いがあったからです。
とは言うものの、本当に不安に包まれていました。
いきなり殴られないだろうか、悪口を言われないだろうか、、、
そんな夥しい不安を抱えて中国行きの船に乗船しました。
船内はほぼ中国人で埋め尽くされ、それに10数人の韓国人。
そして、日本人1人。
乗船客の具体的な数字は全くわかりませんが、
4、500人は少なくともいたと思います。
船内の至る所で中国語が聞こえ、テレビでは日本が右翼化しているというニュースが流れていて、人とすれ違うことさえ怖かったです。
25時間の船旅の始まりです。
恐怖心から、できるだけ外に出ずにずっと狭い狭い寝台に籠っていました。
狭い寝台は居心地が悪く、不安は増す一方でした。
どうしても息苦しかったので、僕は船の甲板に行くことにしました。
目線を下げ、足はやに廊下を歩きたどり着いた甲板へのドア。
このドアを開いた瞬間が僕の一生忘れられない月の思い出を得る瞬間となりました。
その日は、中国の国慶節の前日
つまり、満月の1日前でしたが、その月の大きさ、明るさ、迫力に呆気にとられました。
これまで溜まりに溜まっていた不安が和らぐようなそんな美しさでした。
しばらくの間眺めていましたが、様々な想いが交錯し、
月明かりの優しさに抱かれ涙がこぼれてきました。
なぜこんなことをしてるのか、何がしたいのか、どうしてなのか、、、
不安に押しつぶされた弱い自分を何も言わず見守ってくれる月。
結局、この後はずっと寝台に籠り、無事に到着し、
その後も特に問題はなく、楽しく過ごすことができました。
この出来事以来、月が本当に好きになり、
満月を見るたびに当時の気持ちを思い起こします。
もっと探究心を持て、不安でも攻めろ、自分の足で動いて感じろ
そんな体験を以て得た教訓を定期的に僕に突きつけてくれます。
これが僕の忘れられない月の思い出です。
あなたの思い出はなんですか?
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